著者
小島 久和
出版者
明治大学文芸研究会
雑誌
文芸研究 (ISSN:03895882)
巻号頁・発行日
no.72, pp.p1-10, 1994-09

エンブレム作品の基本構造は、このジャンルの創始者とみなされているAndré AlciatがLiber Emblematumを1531年にアウグスブルグで出版した時以来、銘句・寓意図・韻文(説明文)の形をとっていて、この3つの要素が1ページに重層的に配置されていた。これらの要素の役割は、銘句で個人的信条や道徳倫理観を簡潔に表明し、寓意図がこの抽象観念を神話の神々、動植物、人間、道具類などの形象の下に隠し、韻文が上記要素の結び付きの理由を説明して、寓意図の「読み方」を解明するというものである。

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