著者
小島 久和
出版者
明治大学人文科学研究所
雑誌
明治大学人文科学研究所紀要 (ISSN:05433894)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.75-90, 2002-03

この小論で取り扱うのはHelisenne de Crenneが1539年に発表した書簡体文学作品『私信ならびに反駁書簡』Les epistres familieres et invectives(略して『書簡集』と記す)である。この作品の作者は本名をMarguerite de Brietといい、1500年頃ピカルディー地方のAbbevilleに生まれ、Crenneの領主Philippe Fournelと結婚して息子Pierreを儲け、1552年頃に亡くなった女性である。彼女の生涯についてほとんど記録が残されていないことから、かつてはさまざまな憶測がなされて、例えば作品に散りばめられた古代ギリシア・ラテン文学からの引用や、ラテン語に基づく造語の多さゆえに、エリゼンヌ・ドゥ・クレンヌをプレイヤード派の師Jean Doratと同一視したり、さらにはFrancois Rabelaisの『第二の書 パンタグリュエル物語』に登場する変体ラテン語を操る「リムーザン学生」その人ではないかと考えられたほどである。

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こんな論文どうですか? エリゼンヌ・ドゥ・クレンヌの内的変化について,2002 http://ci.nii.ac.jp/naid/120001440225

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