- 著者
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植田 勇人
- 出版者
- メディカルレビュー社
- 雑誌
- Pharma medica (ISSN:02895803)
- 巻号頁・発行日
- vol.21, no.5, pp.176-178, 2003
レンノックス症候群は多彩なけいれん発作症状を示すてんかん症候群であり, 従来の抗てんかん薬(anti-epileptic drug ; AED)に対して治療抵抗性である場合が多い。今回クロバザムの追加投与が奏効し, けいれん発作頻度の減少に成功した2症例を経験したので報告する。症例はいずれも, 点頭てんかんで発症, 某小児科においてウエスト症候群と診断され, ビタミンB6・ACTH療法およびAEDの治療が行われたが, 点頭てんかん発作を完全にコントロールできず, レンノックス症候群に移行した症例である。当科において長年発作減少を試みていたが, 発作はきわめて難治性で, 各AEDを増量しても発作回数を減少させることはできなかった。そこでクロバザムを追加投与し漸次増加させたところ, 投与して間もなく発作頻度は著しく減少した。レンノックス症候群における発作抑制はきわめて困難な場合が多いが, 同症候群にクロバザムの追加投与が著効した症例を紹介する。