著者
堤 博美
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
巻号頁・発行日
no.32, pp.21-40, 2004-03

筆者はこれまで、浪漫的詩人ヘルダリーンの全貌を解明しようとして、色々な角度から考察してきた。とくに才能と気質、運命と予感、ヒュペーリオンとディオティーマという三点に主眼を置いて論じた。今回は文体とモラル、自立への道、ズゼッテの愛という視点から詩人を観察したい。第一章の文体とモラルでは、ヘルダリーンの詩と小説と戯曲の中に範例を検索し、そこからその文体的特長を具体的に例示し、詩人特有の文体と徳性の関係を推断した。第二章ではヘルダリーンの書簡から自立への意志を読み取り、第三章ではズゼッテ(ディオティーマ)の手紙を抜粋引用して、彼女の愛と苦悩をつぶさに観察し、その光と影を呈示しようと試みた。

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語彙の豊穣さは性淘汰で進化したというジェフリー・ミラーの説読みながら、シェイクスピアは二万四千語、ゲーテニ万語、源氏物語一万四千七百語、ホメロス九千語、青い花四千二百語でヘルダーリンもそれ位、という話を思い出すhttps://t.co/BFnHrsabRr

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