著者
松本 純
出版者
明治大学大学院
雑誌
商学研究論集 (ISSN:1340914X)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.35-49, 2000-02-29

Ⅰ 問題の所在 1867年のパリ万国博覧会で、イギリスの工業製品に対するヨーロッパ大陸諸国の工業製品における技術的優位が露呈された。次いで、1873年の「大不況」('Great Depression')よりイギリス経済は、ヴィクトリア時代の繁栄から一転して慢性的な不況に陥った。このような事件を経て、世論でイギリス経済の相対的衰退が議論されるようになって以来、その処方箋として実業教育制度の改善が絶えず唱われてきた。例えぽ、1867年、博覧会に出席したプレイフェア(L.Playfair)は、イギリスの出品物における相対的な質的低下を嘆き、その理由としてヨーロッパ大陸諸国には整備された技術教育制度があるのに対して、イギリスにはそれがないことを主張した。

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