- 著者
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藤井 秀登
- 出版者
- 明治大学大学院
- 雑誌
- 商学研究論集 (ISSN:1340914X)
- 巻号頁・発行日
- vol.5, pp.185-206, 1996-09-10
現代の都市交通機関として、地下鉄ほど確実な「移動」を保証するものはない。なぜなら、都市部においては、専用通路部分を持つ鉄道、特に地下鉄は定時性という点で、路面交通機関の機能を遥かにしのいでいるからである。これに対して、私的交通機関の発達に伴い、道路交通の混雑が顕著になってきたことが、私的交通機関・公共交通機関の両者に、交通の本来の目的である「移動」の阻害という現象を生じさせている。ところで、こうした都市部の交通機関は、「都市」と不可分の関係にある。よって、都市交通を検討する場合、まず、その母体である「都市」から考察していかなくてはならない。そもそも現在の日本の「都市」の原型は、明治時代に形成されたものである。