著者
津田 正史 岡本 由美子 嶌田 智
出版者
高知大学海洋生物教育研究センター
雑誌
Bulletin of marine sciences and fisheries, Kochi University (ISSN:03879763)
巻号頁・発行日
no.25, pp.1-4, 2007-03

日本には、緑藻237種、褐藻307種、紅藻869種の計1413種の海藻類が生育している。各地域により生育する海藻類は異なり、例えば琉球列島にはカサノリ類を代表する緑藻類が多く、緑藻109種、褐藻72種、紅藻194種の計375種が生育し、一方、北海道にはコンブ類などの褐藻類が多く、緑藻42種、褐藻98種、紅藻172種の計312種が生育している。海藻類は食用としての利用が多いが、最近は、機能性食品、化粧品、医化学用基剤、肥料、飼料など多岐にわたって利用されている。また、医薬品としての利用につながるような海藻類のMRSAに対する抗菌性や、抗腫瘍活性も報告されている。ヒトヘルペスウイルスの一種であるEpstein-Barrウイルス(EBV)は、バーキットリンパ腫や免疫抑制患者の日和見リンパ球増殖症、ホジキンリンパ腫などのB細胞性腫瘍だけでなく上咽頭癌、胃癌などの上皮性腫瘍やさまざまな組織腫瘍に関連していることがわかっている。また、小児に多くみられる慢性活動性EBV感染症や種痘様水疱症の原因ウイルスでもある。エイズの日和見感染症であるカポジ肉腫は、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV)感染により発症する。これらウイルスは、既存の抗ウイルス薬は無効であり、通常の抗がん化学療法や放射線療法に対しても抵抗性や易再発性のものが多い。本研究では、北海道沿岸から30サンプル27種の海藻類を採集し、これらヘルペスウイルスに対する抗ウイルス活性について調査した。

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