著者
池田 長守 宇渡 清六 最相 市蔵 南方 定夫
出版者
岡山大学農学部
雑誌
岡山大学農学部学術報告 (ISSN:04740254)
巻号頁・発行日
no.16, 1960-09

ハッカ種子の発芽力保存のために,炭酸ガス濃度の高い空気中で種子を貯蔵することは,有効とは認めがたく,長期貯蔵では,かえつて有害と認められた.低温貯蔵は,採種後1年間は,発芽力保存に有効であつたが,その後,急激に,効力を失つた.乾燥剤と共に貯蔵することは,もつとも有効であつた.さらに,乾燥剤と共に,ハッカ種子を低温貯蔵すると,両処理の単独効果の和より,いつそう大きい発芽力保存効果を示した.筆者等はこの方法で,採種後2カ年半,3年目の春まで,完全に,ハッカ種子の発芽力を保存した.もつとも,ハッカ種子は,室内常温貯蔵では,採種の翌年の秋には,発芽歩合が低下して,実用価値を失うが,その頃までの発芽力保存には,風乾種子を密封貯蔵するだけで,可なり効果があつた.また,採種後最初の播種期である,翌春までのハッカ種子の貯蔵においても,低温湿潤積層して,後熟を促進し,休眠期間の短縮をはかるのでなければ,むしろ,風乾種子を乾燥剤と共に密封して,低温貯蔵することが好ましい。

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