著者
稲田 利徳
出版者
岡山大学教育学部
雑誌
岡山大学教育学部研究集録 (ISSN:04714008)
巻号頁・発行日
no.89, pp.p1-15, 1992-03

「道行きぶり」は今川了俊(貞世)(嘉暦元年―応永二十一年頃)の紀行文である。その冒頭は、「きさらぎ廿日夜ふかく、かすみつつ山のはちかき月影に、中なる川うちわたすほど」とだけあり、旅立ちの年時は明示されていないが、渡辺世祐氏は内容から判断して、了俊が応安四年(一三七一)、九州探題となって、大宰府に赴くときのものと考証された。このことは、後に紹介する書陵部蔵桂宮本「道行觸」の傍注によっても確認できる。二月二十日に京都を出発、播磨、備前、備中、備後、と山陽道を西下した了俊一行は、やがて安芸国に入り、厳島に参詣、さらに十一月二十九日、長門国の赤間関に到り、平家一門の霊を弔っているところでこの紀行文は閉じられている。その間、約九か月の旅程を六十首の和歌を縷めながら、簡潔な文章で記述する。

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今川了俊「道行きぶり」注釈 -1- https://t.co/0CsORqGTpV -2- https://t.co/McaToFqlek -3- https://t.co/SeHVWQEX0v -4- https://t.co/O5Fk8WwRem -5- https://t.co/7Ymvx8QmdN
こんな論文どうですか? 今川了俊「道行きぶり」注釈(一)(稲田 利徳),1992 http://id.CiNii.jp/JrOZM 「道行きぶり」は今川了俊(貞世…

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