- 著者
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石田 定夫
- 出版者
- 明治大学政経資料センター
- 雑誌
- 資料センターニュース
- 巻号頁・発行日
- vol.49, pp.11-13, 1990-12-07
四ツ谷聖イギナチオ協会で柳田先生とお別れしてから、1年の月日が過ぎた。研究棟の廊下や7号館講師控室で、「ヤア!」と声をかけられた先生のお元気な姿に接したのも、つい昨日のことのように思われる。人間の生命のはかなさをつくづくと思い、悲しさがこみあげてくる。私が経済学部に奉職した1977年4月当時、柳田先生は若手の助教授であられたと思う、先生とは授業の時間帯も異なり、教授会の常席も離れていたので、はじめの間は先生とほとんどお話をする機会もなかった。柳田先生と親しくなったのは、半年ほど経過した入試政経グループの会合においてであった。夏休みも終盤になった同年9月中旬、場所は7号会議室の問題作成において、働き盛りの先生は大きな地声で先生方の問題案を手際よく調整しておられた。