著者
瀬川 裕司
出版者
明治大学教養論集刊行会
雑誌
明治大学教養論集 (ISSN:03896005)
巻号頁・発行日
no.451, pp.45-57, 2010-01

皆川博子『伯林蠟人形館』(文藝春秋、2006年、以下で引用をおこなう場合は頁数のみを記す)は、<1920年代のドイツ>にフォーカスを当てて書かれた長編である。直木賞作家であり、多彩なミステリー小説を執筆してきたことで知られる皆川は、ナチ時代前後のドイツおよび周辺諸国で物語が展開される耽美的な作品群を断続的に発表しており、『伯林蠟人形館』は、ドイツ南部にある<アーリア人の純潔を守ること>を目的に掲げた産院での悲劇をテーマとする『死の泉』(早川書房、1997)、ナチの幹部養成学校<ナポラ>で学んだ少年たちがたどる過酷な運命を鮮やかに描き分ける『総統の子ら』(集英社、2003)、シュレージェン地方にある僧院での人体実験とワルシャワでの少女監禁劇を中心とする狂気のドラマ『薔薇密室』(講談社、2004)に続く第四作目となる。

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