著者
井合 進 飛田 哲男
出版者
京都大学防災研究所
雑誌
京都大学防災研究所年報 (ISSN:0386412X)
巻号頁・発行日
no.54, pp.215-224, 2010

ひずみ空間多重せん断モデルは, 任意方向の仮想単純せん断機構の重ね合わせの機構により粒状体の挙動を表現する。この機構は, 粒状体の誘導異方性を反映する内部構造(微視的構造)を表現するもので, 2階のファブリックテンソルで表現され, このテンソルにより巨視的ひずみが巨視的応力に関連づけられる。この枠組みでは, ひずみ空間ファブリックは, 巨視的ひずみ場の個々の仮想単純せん断機構への投影として定義され, 粒子間の相対変位の方向分布を表す。ひずみ空間ファブリックは, 2次元では四つ葉のクローバー型をしており, 履歴型双曲線関数を通じて応力空間ファブリックに変換される。応力空間ファブリックは, 接点間の接点応力による微視的な応力の方向分布を表し, そのテンソル平均により, 粒状体の巨視的な応力が与えられる。個別要素シミュレーションによって得られた接点力の方向分布を示すファブリックは, ひずみ空間多重せん断モデルによる結果と整合的であり, 同モデルは粒状体の誘導異方性を的確に表現できることが示された。

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こんな論文どうですか? ひずみ空間多重せん断モデルによる誘導異方性の表現(井合 進ほか),2010 https://t.co/kdLX3K6hoc ひずみ空間多重せん断モデルは, 任意方向の仮想単純せん断機構の重ね合わせの機構により粒状体の挙動を表…

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