- 著者
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中川 隆
甲斐 諭
- 出版者
- 九州大学大学院農学研究院
- 雑誌
- 九州大学大学院農学研究院学芸雑誌 (ISSN:13470159)
- 巻号頁・発行日
- vol.56, no.2, pp.235-246, 2002-02
我が国において未許可の遺伝子組換えとうもろこし「スターリンク」が検出されたGMO問題は、日米協議にまで発展し、輸出前検査を行うことで合意に達したものの、今なお、国ごとに異なる認可品種、分別、表示規制、検査・評価方法等、課題が山積しており、また平成13年4月より、表示制度が開始されたこともあって、今後その動向が注目される。こうした状況下、生協と農協・生産農家が連携を図り、搾乳牛に遺伝子組換え原料を一切給与せずに生産される「non-GMO牛乳」の供給がグリーンコープで行われている。non-GMO牛乳とは、搾乳期間中、飼料原料を完全に非遺伝子組換え作物に切り替えて生産された牛乳であり、現在、グリーンコープが最も力を入れている商品の1つである。飼料原料から遺伝子組換え作物を一切排除した画期的な牛乳で、平成10年5月より供給が開始された。ちなみに、グリーンコープで供給されている牛乳はすべてnon-GMO牛乳である。本稿では、non-GMO牛乳が生産されるに至った背景、生産状況、地域農業の振興に果たす効果、また当面している課題を、現地実態調査を踏まえて、生協と農協・生産農家の両面から分析し、この新たな試みによる牛乳の需要開発のための諸課題と問題点を明らかにする。