- 著者
-
大内 憲昭
- 出版者
- 関東学院大学[文学部]人文学会
- 雑誌
- 関東学院大学文学部紀要 (ISSN:02861216)
- 巻号頁・発行日
- vol.105, pp.95-113,
本稿は、2002年に制定された朝鮮民主主義人民共和国の相続法に関する概説および条文の翻訳である。朝鮮における相続制度の規制は、建国時期から1980年代までは民法、1990年に家族法が制定されて以降、民法から家族法に変わった。2002年相続法の制定は、家族法からも分離されたことになる。朝鮮の相続制度が、財産的関係あるいは人格的(身分的)関係を主たる規制対象としているのかが問題となる。また2002年相続法は、これまで民法あるいは家族法で規制されていた内容を詳細なものとした。とくに法定相続、遺言相続に関しては詳細な規定を置いている。本稿では、民法、家族法、相続法における規制内容を比較することにより、2002年相続法の特徴を考察した。