著者
増淵 敏之
出版者
法政大学地域研究センター
雑誌
地域イノベーション (ISSN:18833934)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.33-40, 2009-03-31

アニメ、マンガを活用した観光創出の事例が増えている。特徴としては自治体や商工会などが積極的に関わっている場合が多い。従来的にいえば「聖地巡礼」ということになるのであろうが、ファンがコンテンツ作品に興味を抱いて、その舞台を巡るというものである。こうして記すと別に目新しいものではないという見方もできるが、現在のコンテンツツーリズムは単に観光文脈だけではなく、地域の再生や活性化と結びついている点が重要である。 2005 年に国土交通省総合政策局、経済産業省商務情報政策局、文化庁文化部から出された「映像等コンテンツの制作・活用による地域振興のあり方に関する調査」では、「コンテンツツーリズムの根幹は、地域に「コンテンツを通して醸成された地域固有の雰囲気・イメージ」としての「物語性」「テーマ性」を付加し、その物語性を観光資源として活用することである」としている。 おそらくコンテンツツーリズムは文化観光の一種になると思われるが、これは近年の文化と経済の関係性についての議論が活発化してきたことが背景にあるに違いない。残念ながらわが国はひたすら経済偏重の路線を歩んできて、どちらかというと文化と経済は別ものとして扱われてきた。しかしようやくその融合が求められてきたといえるだろう。 このような状況を受けて日本観光協会でも産業観光、エコツーリズム、フラワーツーリズム等とともに新たな観光と位置付けている。そしてロケ地、原作地に観光客が集まると、各自治体でも映像を地域の宣伝手段と捉えてロケ地を誘致、映画公開後はロケ地を観光資源として幅広く情報伝達することが効果的に考えられている。

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こんな論文どうですか? コンテンツツーリズムとその現状(増淵 敏之),2009 https://t.co/2WEdOuYZjN アニメ、マンガを活用した観光創出の事例が増えている。特徴としては自治体や商工会などが積極的に関わっている場合が多い。従来…
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