著者
増淵 敏之
出版者
日本ポピュラー音楽学会
雑誌
ポピュラー音楽研究 (ISSN:13439251)
巻号頁・発行日
no.9, pp.3-21, 2005
被引用文献数
1

近年、ようやく国内においてもインディーズの台頭により、地方都市でも産業化の可能性が見えてきた。まず沖縄県がモンゴル800のヒットから次々に成功事例を作り、行政までが産業育成に具体的に乗り出してきている。戦後、国内の音楽産業は長く東京一極集中の状態にあった。しかし様々な要因によって国内の市場規模が縮小する中、地方への分散はひとつの打開策として検討されるべきだろう。それが産業化の前段として、音楽を改めて地域の文化として捉え直すことなのである。本論文は、地方都市における音楽文化の発展の過程について、福岡市を事例に検討する。そして地域の音楽文化が産業化していくための基盤を明らかにする。
著者
増淵 敏之
出版者
The Japanese Association for the Study of Popular Music
雑誌
ポピュラー音楽研究 (ISSN:13439251)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.3-21, 2005 (Released:2009-10-29)
参考文献数
46
被引用文献数
1

近年、ようやく国内においてもインディーズの台頭により、地方都市でも産業化の可能性が見えてきた。まず沖縄県がモンゴル800のヒットから次々に成功事例を作り、行政までが産業育成に具体的に乗り出してきている。戦後、国内の音楽産業は長く東京一極集中の状態にあった。しかし様々な要因によって国内の市場規模が縮小する中、地方への分散はひとつの打開策として検討されるべきだろう。それが産業化の前段として、音楽を改めて地域の文化として捉え直すことなのである。本論文は、地方都市における音楽文化の発展の過程について、福岡市を事例に検討する。そして地域の音楽文化が産業化していくための基盤を明らかにする。
著者
増淵 敏之
出版者
法政大学地域研究センター
雑誌
地域イノベーション (ISSN:18833934)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.33-40, 2009-03-31

アニメ、マンガを活用した観光創出の事例が増えている。特徴としては自治体や商工会などが積極的に関わっている場合が多い。従来的にいえば「聖地巡礼」ということになるのであろうが、ファンがコンテンツ作品に興味を抱いて、その舞台を巡るというものである。こうして記すと別に目新しいものではないという見方もできるが、現在のコンテンツツーリズムは単に観光文脈だけではなく、地域の再生や活性化と結びついている点が重要である。 2005 年に国土交通省総合政策局、経済産業省商務情報政策局、文化庁文化部から出された「映像等コンテンツの制作・活用による地域振興のあり方に関する調査」では、「コンテンツツーリズムの根幹は、地域に「コンテンツを通して醸成された地域固有の雰囲気・イメージ」としての「物語性」「テーマ性」を付加し、その物語性を観光資源として活用することである」としている。 おそらくコンテンツツーリズムは文化観光の一種になると思われるが、これは近年の文化と経済の関係性についての議論が活発化してきたことが背景にあるに違いない。残念ながらわが国はひたすら経済偏重の路線を歩んできて、どちらかというと文化と経済は別ものとして扱われてきた。しかしようやくその融合が求められてきたといえるだろう。 このような状況を受けて日本観光協会でも産業観光、エコツーリズム、フラワーツーリズム等とともに新たな観光と位置付けている。そしてロケ地、原作地に観光客が集まると、各自治体でも映像を地域の宣伝手段と捉えてロケ地を誘致、映画公開後はロケ地を観光資源として幅広く情報伝達することが効果的に考えられている。
著者
増淵 敏之
出版者
Japan Association for Cultural Economics
雑誌
文化経済学 (ISSN:13441442)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.19-29, 2005-03-31 (Released:2009-12-08)
参考文献数
38
被引用文献数
1

国内の音楽ソフト産業は転換期を迎えている。市場規模の縮小傾向の中で、消費者の多様化、配信のビジネス化などの問題に直面し、メジャー各社は試行錯誤を繰り返しているように見える。しかしその傍でメジャーとは一線を画したインディーズ (独立系音楽ソフト会社) が活発化し始めていて、特に地域に依拠する企業の成功事例も出てきている。本稿ではそういった音楽産業の国内地域での産業化の可能性を、事例を挙げて考察する。