著者
高松 みどり Takamatsu Midori タカマツ ミドリ
出版者
大阪大学大学院人間科学研究科教育学系
雑誌
大阪大学教育学年報 (ISSN:13419595)
巻号頁・発行日
no.7, pp.283-290, 2002

研究ノート修士論文では、ヘンティヒの学校理論における経験概念について思想的にアプローチした。その際明らかとなった彼の経験概念は、その学校実践にどういった影響を与えているのか。今後こういった問題を考えるにあたり、本稿では生徒の経験という行為にアプローチする方法について考える。ここで取り上げるのは、クライネスペルらによる現象学的方法、グステットナーらによる規律化論的方法、ヴルフらによる儀礼・パフォーマンス概念を中核に据えた方法である。その結果明らかとなったのは、クライネスペルらの方法も、グステットナーらの方法も、筆者の問題設定には適合しないが、おそらくヴルフらによる方法であれば適用可能であるということである。確かにヴルフらの方法はヘンティヒの「経験の余地」を閉め出しているようにも思えるが、決してそうではないと思われる。というのもヴルフの場合、生徒達が経験の中で新しい共同体を作り出すというダイナミックな儀礼概念が見られ、それはヘンティヒの経験概念にも通じると思われるのである。

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こんな論文どうですか? ヘンティヒの実験学校における生徒の経験 : その方法をめぐって(高松 みどりほか),2002 https://t.co/NxVhdq69qO

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