著者
奥平 康照
出版者
和光大学現代人間学部
雑誌
和光大学現代人間学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Human Studies (ISSN:18827292)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.7-24, 2008-03

1950年前後から数年、生活綴方を核にあるいは基礎にした教育実践が全盛を極めた。厳しい労働をともなう貧しい生活への対峙と新生活への展望、家族と村の旧い共同体規制からの解放と新しい共同性の獲得、その二つが、この時代を特徴づける実践的課題であった。その実践課題に、生活綴方の方法はきわめて有効にはたらいた。しかし50年代後半に貧困からの脱出に可能性が現われ、旧共同体規制が衰弱し始めると、生活綴方実践は後退し、新しい実践の方向と方法がもとめられるようになる。そして教育実践の中心から「生活」が消えていく。当時の教育実践にとって「生活」とはなんだったのか。

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