著者
高梨 ありこ 纐纈 雄三
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.10-14, 2011-07

本研究は、低生涯生産性を示す母豚(LE母豚)に関連する要因の探査を目的とした。要因は、初交配日齢(AFM)、産次0の種付け回数、産次1の生存産子数(PBA)とした。本研究では、101農場における2001-2003年に導入された34,728頭の分娩記録を用いた。LE母豚は、年間化生涯PBAの下位25パーセンタイルを持つ母豚と定義した。AFMは151-209日、210-230日、231-251日、252-272日、273-293日、294-365日の6グループに分類した。産次1のPBAは≦7頭、8-11頭、≧12頭の3グループに分類した。産次0の種付け回数は、初回種付けと再種付けに分類した。統計分析には混合効果モデルを用いた。母豚のAFMが151-209日から294-365日に上がるにつれ、LE母豚になる割合は、18.7%から37.3%に増加した(p<0.05)。再種付け未経産豚は、初回種付けと比べて、LE母豚になる割合が10.3%高かった(P<0.05)。産次1のPBAが≦7頭の母豚は、8-11頭と≧12頭の母豚と比べて、LE母豚になる割合がそれぞれ19.4%と28.5%高かった(P<0.05)。結論として、LE母豚になる割合を減らすためには、成熟した未経産豚における早い日齢での初交配、再種付け未経産豚割合を減少させること、そして産次1におけるPBAを増やすことが推奨される。

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