著者
庵 功雄
出版者
日本語/日本語教育研究
雑誌
日本語/日本語教育研究
巻号頁・発行日
no.1, pp.103-118, 2010-05

中国語母語話者は日本語を習得する際、漢語があるため有利になる部分がある。しかし、漢語の知識が負の転移となって習得を阻害する場合もある。本稿では、漢語サ変動詞のボイスを対象に、この問題をアンケート調査に基づいて考察した。その結果、次のようなことが示唆された。(1) 非能格自動詞と他動詞では(正用と誤用の)ゆれが見られないのに対し、非対格自動詞ではゆれが見られる。(2) 非対格自動詞の中にはゆれが見られるものと見られないものがある。(3) 非対格自動詞の他動詞形ではゆれが見られる。(4) 受身にはゆれが見られない。(5) 使役にはゆれが見られ、和語>サ変動詞、自動詞>他動詞、という習得のしやすさの差がある。

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CiNii 論文 - 中国語母語話者による漢語サ変動詞のボイス習得研究のための予備的考察 https://t.co/uIKtHatSeq

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