著者
五十嵐 伸吾
出版者
法政大学地域研究センター
雑誌
地域イノベーション (ISSN:18833934)
巻号頁・発行日
no.5, pp.89-104, 2012

我が国、特に地方における産業活性化あるいは雇用創出の担い手として、新規開業企業群(スタートアップ企業)への期待は大きい。しかし、これまで地域において起業促進政策が顕著な成功を見た例は少ない。岩手県は県内総生産、失業率などの指標で他県と比較すると決して恵まれているとは言えない。岩手県下のある企業しかも一つの工場から40余りのスタートアップ企業が誕生 し、しかもほぼすべてが生存している。このような事例は他に類を見ない。本稿では、このアルプス電気盛岡工場の事例を分析することによって、どのような経緯によって起業を促進する組織文化が形成されたのかを明らかとする。それが地域における起業促進政策に対する一助と なることを期待する。The Japan government and especially local government have expected to emerging start- ups as the role of industrial activator and job creator. However, such policies for promoting entrepreneurship have not been a significant successful. The indicates of Iwate Prefecture, for example, Gross Prefecture Product (GPP) and Unemployment rate show that Iwate Prefecture is not better than the others. More than forty start-up companies were founded from only the Morioka Factory of Alps Electric Co., Ltd. Almost all of them are alive so far. Similar cases aren't seen. This paper analyzed the case of the Morioka Factory of Alps Electric Co., Ltd, and revealed how the organizational culture that promotes entrepreneurship was generated there. I hope that it will give some suggestions which contribute to the economic policy for promoting entrepreneurship in the region.

言及状況

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アルプス電気盛岡工場が生み出した起業家精神 (2002年に閉鎖になった工場から40あまりの会社が誕生、2010年にほぼ全てが生存) ※IAMAS小林先生からのシェア ※ソースは法政大学五十嵐先生 ↓結論抜粋 ----------------------------------- 事業計画の審査を通過したスタートアップ企業が入居できるインキュベータでなく、その前段階を「実行することによって学ぶ」こ ...
以下は 五十嵐伸吾、地域における起業促進の一類型—アルプス電気盛岡工場が醸成した起業家精神、地域イノベーション : Journal for Regional Policy Studies、1883-3934 法政大学地域研究センター、2013 の要約です。最近読んだ論文の中の1つなのですが、とても興味深い内容でしたので共有します。 ・・・ アルプス電気の製品開発機能を合わせ持つ一事業部門で ...

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