著者
大山 梓
出版者
明治大学社会科学研究所
雑誌
明治大学社会科学研究所紀要 (ISSN:03895971)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.5-28, 1973-02-01

二次大戦に際しマレー半島で,ジョン・ダリー大佐が組織し,日本軍と対戦した華僑部隊の勇敢な交戦は戦史に著名である。当時の南洋華僑の人口は千五百万人と云われ,または二千五百万とか云われている。かかる南洋華僑が抗日に蹶起したのも,通説によると満洲事変以来,または支那事変以来とされている。本稿は更に溯り,南洋華僑の政治意識を,大清帝国が滅亡し,中華民国が成立した以後の大正時代を考察することにした。即ち一次大戦の日本参戦,二十一ケ条の要求,山東問題の懸案,利権回収の問題に対し,南洋華僑の動向を研究することにある。昭和時代・満洲事変・支那事変・大東亜戦争に際し,南洋各地の華僑の激烈な排日思想は,既にその萠芽が大正時代の排日と排貨,経済断交の運動にみられるからである。

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