著者
洲見 光男
出版者
明治大学社会科学研究所
雑誌
明治大学社会科学研究所紀要 (ISSN:03895971)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.159-172, 2007-10

任意捜査は、その呼び名から自由に許されるかのように思われがちであるが、程度および方法において「必要な」限度を超えることは許されない(197条1項。なお、198条)。他面、任意捜査は、相手方の承諾・協力を得て行う捜査であって、何ら個人の権利・利益を制約するものではないことを想像させるが、実は、それは「強制捜査ではない」ことを意味するにとどまり、個人の権利・利益を制約し得る場合があるとされているω。捜索・押収などによる強制捜査は、広い意味で、個人情報の収集活動と捉えることもできるが、これについては憲法および刑事訴訟法に規定が置かれており、手続・要件の「法定主義」(憲法31条、刑訴法197条1項但書)および「令状主義」(憲法35条、刑訴法218条等)による規制が加えられている。
著者
永野 仁
出版者
明治大学社会科学研究所
雑誌
明治大学社会科学研究所年報 (ISSN:04656091)
巻号頁・発行日
no.33, pp.45-46, 1993-07-01

1980年代の半ば,かなりの日本企業が,「リストラクチャリング(事業の再構築)」を合い言葉に,新規事業への進出を開始した。例えば,鉄鋼業を始めとする「重厚長大型」の産業では本業の停滞感が著しかったので,企業の存続や従業員の雇用維持のために,それを積極的に推進していった。その際の進出先は本業との差異が大きい情報産業やサービス産業などの「軽薄短小型」の産業が多かったので,別会社方式による進出がしばしば選択された。その結果,これらの別社会に対する従業員の出向が繁雑に発生するようになっていた。(この時点での状況は,研究担当者の単著『企業グループ内人材移動の研究』多賀出版や,共編著『新規事業の実態と展望』経営実務出版の一部に公表してきた)。
著者
増田 豊
出版者
明治大学社会科学研究所
雑誌
明治大学社会科学研究所紀要 (ISSN:03895971)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.201-211, 2007-10
著者
永野 仁
出版者
明治大学社会科学研究所
雑誌
明治大学社会科学研究所年報 (ISSN:04656091)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.51-52, 2009-03-10

定年の数年前から、管理職層を中心に企業間の移動は発生しているが、人材流動化時代の到来と共に、非自発的な移動も含め、この年齢層での転職傾向が強まってきている。しかも、団塊の世代が定年年齢を迎えつつあるので、今後、定年期を含め中高年層の転職が、一層増加することが予想される。しかし一般に転職は、若年層より中高年層で、またスペシヤリストよりジェネラリストで、困難度が大きいことが知られている。本研究の目的は、中高年ジェネラリストが多くを占める経営管理層の転職者に、直接インタビューを行って詳細な情報を収集し、その情報をもとに転職の成果を高める方策を明らかにすることである。中高年者を含んだ実際の転職行動を分析した最近の研究には、渡辺(1999)、猪木・連合総研(2001)、玄田・中田(2002)、稲上(2003)、東京都産業労働局(2003)、日本労働研究機構(2003)、山本(2005)などがある。
著者
大山 梓
出版者
明治大学社会科学研究所
雑誌
明治大学社会科学研究所紀要 (ISSN:03895971)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.5-28, 1973-02-01

二次大戦に際しマレー半島で,ジョン・ダリー大佐が組織し,日本軍と対戦した華僑部隊の勇敢な交戦は戦史に著名である。当時の南洋華僑の人口は千五百万人と云われ,または二千五百万とか云われている。かかる南洋華僑が抗日に蹶起したのも,通説によると満洲事変以来,または支那事変以来とされている。本稿は更に溯り,南洋華僑の政治意識を,大清帝国が滅亡し,中華民国が成立した以後の大正時代を考察することにした。即ち一次大戦の日本参戦,二十一ケ条の要求,山東問題の懸案,利権回収の問題に対し,南洋華僑の動向を研究することにある。昭和時代・満洲事変・支那事変・大東亜戦争に際し,南洋各地の華僑の激烈な排日思想は,既にその萠芽が大正時代の排日と排貨,経済断交の運動にみられるからである。