著者
加藤 修 カトウ オサム Kato Osamu
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.495-502, 2013-03

本稿では,筆者の長年の制作活動や,2001年に文化庁芸術家派遣制度でニューヨークに滞在していた際に,現地で9.11を経験し体得した観点から,表現活動や作品の持つ意味,アートプロジェクト・ワークショップの意義,その社会的役割について考え至った内容を記述している。現在,大学の普遍教育教養展開科目「アートをつくる」を母体として,大学生スタッフとともに継続的に展開している複数のアートプロジェクトをはじめ,その1つである「旗をつくる-住みたい国を考える」に特に焦点を当て,2011年7月より同タイトルで5回繰り返してきた内容を振り返り,それぞれを比較しながら,それらがどのような意義と目的をもって結果を導いたのかを検証する。そして,それらが「継続」により生まれた人と人との関係性に基づくものであり,継続を可能にしたシステムの確保による内容の洗練とスキルアップの成果であることを確認している。

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