- 著者
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林 博史
- 出版者
- 関東学院大学経済学部教養学会
- 雑誌
- 自然・人間・社会 : 関東学院大学経済学部総合学術論叢 (ISSN:0918807X)
- 巻号頁・発行日
- no.54, pp.51-70, 2013-01
対日戦犯裁判の打ち切りのイニシアティブをとったのはニュージーランドだった。ニュージーランドは東京裁判に判事と検察官を送り込み、日本占領にも参加したが、東京裁判におけるアメリカ人首席検察官の訴追指揮のまずさや不必要に長期化する裁判の現実を前に、自らはBC級戦犯をおこなっていなかったニュージーランドが戦犯裁判終結を提起していった。その結果、極東委員会での「勧告」決議となり、対日戦犯裁判は終結を迎えることになる。