著者
西尾 久美子 NISHIO Kumiko
出版者
京都女子大学現代社会学部
雑誌
現代社会研究 (ISSN:18842623)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.69-78, 2008-12

350年継続する京都花街では、どのようなマーケティング・マネジメントがおこなわれているのか。それは、いったい何を大事にしてきたから、今日まで継続できたのだろうか。本稿では、リレーションシップ・マーケティングのフレームワークを用いて、日本の伝統産業である京都花街の一見さんお断りの取引慣行を分析し、お茶屋を中心とする取引仕組みが、顧客満足度を高め複数の事業者の取引を円滑にするとともに、事業者の提供するサービスの質そのものを高めていることを指摘する。そのうえで、おもてなしというサービスの提供に特化した地域産業が、複数の事業者間の競争と協働により、長期継続的な顧客との関係構築を志向していることを考察する。

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