- 著者
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結城 和博
佐藤 久実
中場 勝
櫻田 博
佐野 智義
本間 猛俊
渡部 幸一郎
水戸部 昌樹
宮野 斉
中場 理恵子
横尾 信彦
森谷 真紀子
後藤 元
齋藤 信弥
齋藤 久美
- 出版者
- 山形県農業総合研究センター
- 雑誌
- 山形県農業研究報告 (ISSN:18834655)
- 巻号頁・発行日
- no.2, pp.19-40, 2010-03
「つや姫」(系統名:山形97号)は、1998年に山形県立農業試験場庄内支場(現:山形県農業総合研究センター水田農業試験場)において、次期主力品種の育成を育種目標に、「山形70号」を母に、「東北164号」を父にして人工交配を行い、選抜・育成した良食味の品種である。本品種は本県で育成された粳種では初の"晩生"に属し、短稈で草型は"中間型"、耐倒伏性は"やや強"である。いもち病真性抵抗性遺伝子型は"Pii、Pik"をもつと推定され、圃場抵抗性は葉いもち"強"、穂いもちは発病が少なく不明である。障害型耐冷性は"中"、穂発芽性も"中"である。「コシヒカリ」に比較し、収量性が高く、玄米千粒重は並で、玄米外観品質は白未熟粒の発生が少なく、光沢があり高品質である。「コシヒカリ」に比べ精米粗タンパク質含有率は並、精米アミロース含有率はやや低く、味度及び炊飯米の白色度はやや高い。食味は、炊飯米の外観と光沢が優れ、味と粘りも優り、「はえぬき」及び「コシヒカリ」を上回る。山形県における適応地帯は平坦部で、本県のさらなる良食味米の安定生産と「米どころ山形」として本県産米全体の評価向上を目指し、2009年に山形県の水稲奨励品種に採用された。さらに、同年9月には宮城県の奨励品種に採用された。