著者
熊澤 恵里子
出版者
東京農業大学農業経済学会
雑誌
農村研究 (ISSN:03888533)
巻号頁・発行日
no.113, pp.1-13, 2011-09

わが国の高等教育段階における農学教育は近代的化学分析に基づいた農学研究と農場における農業実習という「研究と実践」を兼ね備えた英国流でスタートした。しかし,その後のケルネルら独人教師の活躍の影に隠れて駒場農学校英人教師への正当な評価はすっかり忘れ去られてしまった感がある。本稿では,日本の高等農学教育に農芸化学を導入した第一人者といえるエドワード・キンチに焦点を当て,英国のサイレンセスター王立農学校文書館ならびにローザムステッド研究所文書館が所蔵する関係史科を中心に,キンチが日本の農芸化学界の発展にいかに寄与したかを明らかにした。キンチの誠実な化学分析は近代農業に対する人々の意識変革を促し,地域の特性を生かした産業の振興を援助するとともに,西洋社会がほとんど食しない根菜類,海草類など,ダイナミックな日本の食文化を世界に知らしめたという点でも先駆的である。

言及状況

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【金沢出身の海軍省勤務者の経歴等について】  金沢出身で東郷平八郎とともにイギリスへ留学した海軍軍人の「土師外次郎(はじそとじろう)」の家系に関する資料はないか。また、同じく海軍省に勤めた「猪山成之(いのやましげゆき)」、猪山家と同じく御算用者の家出身の「早川元次郎(はやかわもとじろう)」、金沢出身といわれる「奈佐忠行(なさただゆき)」の経歴及び関係が知りたい。

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