- 著者
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富田 政勝
- 出版者
- 新潟県内水面水産試験場
- 雑誌
- 新潟県内水面水産試験場調査研究報告 (ISSN:03861643)
- 巻号頁・発行日
- no.16, pp.59-64, 1990
2つの選抜主体形質を区分した紅白(紅白A:模様と白地、紅白B:緋質とキワ)において、選抜(1970年より4~5代)を繰り返すことによる形質変化と、その後における相互交配(1989年)で得た魚の形質比較を試みた。なお、結果については累積選抜率(%)および、形質を並以上に持つ魚の出現率で比較した。1. 紅白Aでは2代目、紅白Bでは3代目でその累積選抜率は各々17.0%、13.7%と最高を示したが、ともに3代目、4代目以降は漸次累積選抜率の低下が見られた。2. 「模様」と「白地」を主体において交配(1989年)した紅白A同志の組合わせからは、これらの形質を「並」以上に表現した魚がそれぞれ78%、72%得られた。3. 「緋質」と「キワ」を主体において交配(1989年)した紅白B同志の組合わせからは、これらの形質を「並」以上に表現した魚がそれぞれ90%、50%得られた。4. 紅白Bの組合わせにおいて、主体選抜形質としなかった「模様」・「白地」が、これを「並」以上に表現した魚がそれぞれ95%、100%であった。5. 紅白Bの♀にAの♂を配した組合わせが、「緋質」、「キワ」、「模様」、「白地」の形質を「並」以上に表現した魚の出現率は、それぞれ92%、77%、94%、100%で、組合わせの中ではいずれも最も高い値を示した。