著者
岩橋 正雄 富田 政勝
出版者
新潟県内水面水産試験場
雑誌
新潟県内水面水産試験場調査研究報告 (ISSN:03861643)
巻号頁・発行日
no.3, pp.109-113, 1974

錦鯉の選抜育種において次代の親魚候補の選出を容易にする目的で数組の紅白,大正三色を使用,F1,F2での兄妹間交配を行なった。1. F2まで選抜した紅白については親魚の表面上の形質が優れているものほど優れた仔が入手できた。2. F1まで選抜した大正三色については親魚の形質が必ずしも仔と一度せず,表西上の形質だけで親魚候補を選抜することは問題があるように思われる。
著者
岩橋 正雄 富田 政勝
出版者
新潟県内水面水産試験場
雑誌
新潟県内水面水産試験場調査研究報告 (ISSN:03861643)
巻号頁・発行日
no.8, pp.74-79, 1980

紅白の発生、遺伝に関する基礎的な資料を得る目的で紅白、紅白から出現した赤無地、白無地を各々3代交配し、出現品種の種類と比率を調べた。1)赤無地×赤無地では全て赤無地が100%出現した。2)白無地×白無地における選抜の効果は認められたが、白無地は100%出現しなかった。3)紅白×紅白における選抜の効果は認められなかった。4)紅白×紅白における出現品種の分離比はまちまちで、その遺伝は質的形資でなく量的形質の遺伝様式に合致した。
著者
岩橋 正雄 富田 政勝
出版者
新潟県内水面水産試験場
雑誌
新潟県内水面水産試験場調査研究報告 (ISSN:03861643)
巻号頁・発行日
no.4, pp.71-74, 1976-08

紅白が100%出現する親魚を養成する目的で紅白から得られた赤無地,白無地を純粋種又はそれに近い状態に選抜し,その間で交雑を行い紅白の出現率を調べた。1. 紅白の出現率は赤無地,白無地の選抜をかさねるほど高くなりF2においては最高99.6%平均90%に達し紅白は赤無地と白無地の中間種(F1)と認められた。2. 紅白型付の出現率は赤無地,白無地の選抜をかさねるほど退色因子の作用が強められ低下した。3. 今後退色因子の少ない赤無地,白無地を作り上げればF1の実用化が期待できる。
著者
富田 政勝
出版者
新潟県内水面水産試験場
雑誌
新潟県内水面水産試験場調査研究報告 (ISSN:03861643)
巻号頁・発行日
no.16, pp.59-64, 1990

2つの選抜主体形質を区分した紅白(紅白A:模様と白地、紅白B:緋質とキワ)において、選抜(1970年より4~5代)を繰り返すことによる形質変化と、その後における相互交配(1989年)で得た魚の形質比較を試みた。なお、結果については累積選抜率(%)および、形質を並以上に持つ魚の出現率で比較した。1. 紅白Aでは2代目、紅白Bでは3代目でその累積選抜率は各々17.0%、13.7%と最高を示したが、ともに3代目、4代目以降は漸次累積選抜率の低下が見られた。2. 「模様」と「白地」を主体において交配(1989年)した紅白A同志の組合わせからは、これらの形質を「並」以上に表現した魚がそれぞれ78%、72%得られた。3. 「緋質」と「キワ」を主体において交配(1989年)した紅白B同志の組合わせからは、これらの形質を「並」以上に表現した魚がそれぞれ90%、50%得られた。4. 紅白Bの組合わせにおいて、主体選抜形質としなかった「模様」・「白地」が、これを「並」以上に表現した魚がそれぞれ95%、100%であった。5. 紅白Bの♀にAの♂を配した組合わせが、「緋質」、「キワ」、「模様」、「白地」の形質を「並」以上に表現した魚の出現率は、それぞれ92%、77%、94%、100%で、組合わせの中ではいずれも最も高い値を示した。