著者
卜田 真一郎
出版者
大阪教育大学 幼児教育学研究室
雑誌
エデュケア
巻号頁・発行日
vol.33, pp.13-33, 2013-03-31

本論は,日本における多文化共生保育研究の動向を整理することを目的として,この分野の研究から約50本の論文を取り上げ,整理を行ったものである。取り上げた論文は,そのテーマごとに「『呼称』や『表記』を巡る課題」「多文化共生保育の状況と課題についての研究」「外国にルーツを持つ子どもの園生活の実態についての研究」「オールドカマーの子どもの保育についての研究」「多文化共生保育の理念についての研究」「多文化共生の視点からの保育内容についての研究」「多文化共生保育に関わる保育者養成についての研究」の7つのカテゴリーに分類し,研究動向に関わる考察を行った。その結果,多文化共生保育研究の今後の課題として,「『多文化共生保育』が意味することの範囲の広さを視野に入れ,研究全体を俯瞰できるような整理が必要であること」,「地域の多文化化の状況要因による実践の違いを整理し,状況の違いに応じた実践のありようを検討すること」「これまでの研究成果の積み上げをもとに,より具体的な『多文化共生保育の指導法』の確立が求められるということ」の3点を指摘した。

言及状況

Twitter (5 users, 5 posts, 0 favorites)

収集済み URL リスト