著者
田中 恭子
出版者
埼玉大学経済学会
雑誌
社会科学論集 (ISSN:05597056)
巻号頁・発行日
no.140, pp.31-39, 2013-11

さいたま市の見沼田んぼ地域では,公有地化推進事業が実施されている。農地の管理を委託された市民団体が,水田や畑を耕作し,緑地保全のための市民活動が盛んである。本稿では,見沼田んぼの公有地化推進事業の導入に至った歴史的な経緯を考察するとともに,現在の公有地の管理と利用の実態を明らかにする。市民団体などに委託された土地では,市民が共同して無農薬,有機農業を実践し,自然環境保全がはかられている事例を報告する。さらに2012年からは公有地の賃貸制度も導入され,公有地化推進事業に新たな展開も見られていることが注目される。

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