著者
吉岡 一男 Kazuo Yoshioka
雑誌
放送大学研究年報 = Journal of the University of the Air (ISSN:09114505)
巻号頁・発行日
no.21, pp.237-249, 2004-03-31

おうし座RV型星は、主極小と副極小を交互にくり返す光度変化に特徴がある半規則的な変光星である。この変光星は、可視域のスペクトルをもとに、酸素過剰なAグループと炭素過剰なB,Cグループに細分類されている。 われわれは、国立天文台堂平観測所の91cm反射望遠鏡を用いて、おうし座RV型星の多色偏光観測を行った。観測された17個の星の内、12個に対してはすでに星間偏光成分を取り除いて固有偏光成分を求めている。 本論文では、さらに3個の星に対して固有偏光成分を求めた。星間偏光成分はnearneighbor法を一部変えた方法で求めた。求めた星間偏光成分の内、偏光位置角の決定誤差は小さいが、偏光度の決定誤差は大きいので、決定的なことはいえない。しかし今回は、Aグループの星の固有偏光成分の偏光度が中間の波長域で極大値をとり、Bグループの星では中間の波長域で極小値をとるというこれまで得られてきた傾向とは逆の結果が得られた。このことは、星周圏ダスト殻の数が必ずしもA,Bグループと相関してはいないことを示唆しているのかも知れない。

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こんな論文どうですか? 3個のおうし座RV型星の固有偏光の特徴について(吉岡 一男ほか),2004 https://t.co/5oLiZG0BrK おうし座RV型星は、主極小と副極小を交互にくり返す光度変化に特徴がある半規則的な変光星である。この変…

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