- 著者
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渡邊 明
- 出版者
- 福山市立大学都市経営学部
- 雑誌
- 都市経営 : 福山市立大学都市経営学部紀要 = Urban Management : Bulletin of the Faculty of Urban Management, Fukuyama City University (ISSN:2186862X)
- 巻号頁・発行日
- vol.2, pp.83-100, 2013-03-15
これまでのナレッジ・マネジメントの取り組みの多くは,過去に創られた知識を蓄積・整理し,再活用するという視点で行なわれてきた.我々の研究は, 物語コーポレーションのようなナレッジ・マネジメントの先進企業が,情報や知識そのものの管理ではなく,知識を保有するコミュニティの働きを高めるマネジメントを徹底的に行なっていることに注目した. 小林会長とのヒアリングでは,知識創造と共有が行われるアクティブなコミュニティを創設し,それをビジネスのコンテクストに明確に位置付けるかということに重点を置いた経営をやっていることが示された.物語コーポレーションでは, 知識創造プロセスの活動に応じた「場(知のプラットフォーム)」の設定が重要な意味を持つことになることを分析した. 創出された「場」の中でのインターセクター・ディスカッションは, ①将来に向けて創造すべき知識資産を可視化し,②個々のナレッジ・ワーカーの意識や行動を把握することを中心に環境の変化に対応して機能の変化をさせること及びそれが構造の変化をおこすものであることを分析した.