著者
内村 和至
出版者
明治大学文芸研究会
雑誌
文芸研究 : 明治大学文学部紀要 (ISSN:03895882)
巻号頁・発行日
no.119, pp.27-53, 2013

「万国旗本」とは、私が仮に名付けたもので、学術用語ではない。言う心は、「幕末、外国船来航に沸き立つ時期に編纂された、世界の国旗・都市旗・軍艦旗・商船旗などを記載した本」の意である。と言っても、私は、文化史的観点から「万国旗本」そのものを研究対象としているわけではない。本稿の目的は、幕末戯作研究のかたわら管見に入った数冊の「万国旗本」に触れつつ、その背景をなす時勢や人間関係を瞥見することである。わずか数冊の「万国旗本」を通しても、幕末の時代風景は垣間見えてくるからである。しかし、それでもなお、「万国旗本」なる定義は、研究の立場としては傍系的に過ぎるであろう。本来、これらは幕末維新史研究もしくは近世地理学史研究の文脈に置かれるべきものである。

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