- 著者
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田野村 忠温
- 出版者
- 奈良大学
- 雑誌
- 奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
- 巻号頁・発行日
- no.18, pp.p194-216, 1990-03
数詞と助数詞がどのような場合にどのような形で表現されるかということは,日本語教育にたずさわる者が心得ておかなければならない基本的な知識の一つであろう.それだけに,この問題についてはすでに日本語教育の様々な現場で分析が行われているものと思われるが,詳しい記述はあまり公表されていないようである.そこで,ここでは,現代日本語の数詞と助数詞の形態論について筆者が整理してみたところを述べることにする.日本人学生に対する概説のために用意した資料に加筆を施したもので,遺漏もあることと思われるが,上述の事情を考えればあながち無意味でもなかろうと判断し,このような形で発表する次第である.なお,数詞と助数詞の使用の実態には,世代,方言,個人などによるゆれが少なくない.ゆれのある言い方については,大学生・短大生を対象に調査を行い,その結果を語形決定の参考資料とした.