著者
岩井 茂昭
出版者
近畿大学経済学会
雑誌
生駒経済論叢 (ISSN:13488686)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.21-45, 2014-07

[概要] ウィリアム・ギルピンは1782年に出版した『ワイ川紀行』の中で, 詩人ジョン・ダイアーの風景詩「グロンガー・ヒル」(1726年)の風景描写を批判している. ギルピンの批評は「ピクチャレスク美」の原理にもとづくものであり, ダイアーの詩が批判されているのは, その風景描写が「ピクチャレスク美」の原理を逸脱しているためである. なぜギルピンはこれほど「ピクチャレスク美」の原理にこだわったのだろうか. その理由をギルピンの自然観に求め, 人間にとって「不可視のもの」である自然の全体的調和を可視化するための手段が「ピクチャレスク美」の原理であったことを考察する. [Abstract] In his Observation on the River Wye published in 1782, William Gilpin criticizes the landscape descriptions made by the poet John Dyer in his landscape poem"Grongar Hill"(1726). Gilpin's criticism is based on his "Principles of Picturesque Beauty" and he indicates that many of Dyer's landscape descriptions deviate from such principles. Why Gilpin is very strict on the "Principles of Picturesque Beauty" ? The author attributes Gilpin's adherence to the principles to his view of nature, and argues that his principles are the only means to visualize the"invisible"in nature, which is the harmonious wholeness hidden from the human eye.

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岩井茂昭(2014)、ギルピンによる『グロンガー・ヒル』批判紹介。

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岩井茂昭(2014)、ギルピンによる『グロンガー・ヒル』批判紹介。 / “CiNii 論文 -  <論文>自然における「不可視のもの」を可視化する試み--ギルピンが『ワイ川紀行』に導入した「ピクチャレスク美」の原理について” http://t.co/d01jUsVGnd

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