- 著者
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李 善愛
Sun Ae II
- 雑誌
- 宮崎公立大学人文学部紀要 = Bulletin of Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities
- 巻号頁・発行日
- vol.7, no.1, pp.175-196, 2000-03-21
韓国政府は10年余り前まで、「子供は男の子、女の子区別なく二人だけ産んでよく育てよう」という二人子政策を国民に勧めてきた。そして、今は子供は二人のみ産むのが常識となっており、兄弟が5女1男、6女1男などのように多いと珍しく思われている。これは子たくさん儲かるのを望んだの結果であろうが、多くは家を継ぐ男の子を産むため、肉体的、精神的、経済的負担をかかえながら子供を産み続けた結果であると思われる。韓国人の男児への選り好み度が高いのは、胎児の産み分けを手助けして検挙された医者の記事が毎年、マスコミを通して世間を騒がせることから十分裏付けることができよう。本稿では、男児信仰にまつわる韓国のお産文化を通して今昔における生命観の変化についてうかがうことにする。