- 著者
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東島 圭志郎
佐藤 建
安ヶ平 一也
村方 栄真
河原 恭一
Keishiro Higashijima
Tatsuru Sato
Kazuya Yasugahira
Eishin Murakata
Kyouichi Kawahara
- 雑誌
- 南極資料 = Antarctic Record (ISSN:00857289)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, no.2, pp.171-271, 2003-07
これは,第40次南極地域観測隊気象部門が,1999年2月1日から2000年1月31日まで,南極昭和基地において気象観測を行った結果の報告である.気象観測の方法,測器,統計方法等は,第39次隊とほぼ同様である. 越冬期間中,特記される気象現象として,次のものがあげられる.1) 地上気象観測において,7月,12月,1月の気温,5月,10月,12月,1月の気圧が平年に比べ著しく低かった.10月5日に最低海面気圧932.1hPa(歴代2位)を記録した.ブリザードは,A級が4回,B級が10回,C級が11回の計25回あり,平年並みであった.2) オゾン全量観測において,昨年に引き続き大規模なオゾンホールを観測し,11月の月平均オゾン全量は過去最低を記録した.その後,12月中旬にオゾンホールは消滅したが,オゾン全量値の回復は過去一番遅かった.3) それに伴い,成層圏の昇温が遅れ,春季に下部成層圏で記録的に低い月平均気温を観測した.4) エアロゾルゾンデ観測において,春期南極上空で形成されるオゾンホールの重要要因となっていると思われる極成層圏雲(PSCs)の雲粒子の分布状況を観測した.5) 地上オゾン濃度観測において,観測を始めた第38次隊以来連続して地上オゾン濃度急減現象を観測した.