著者
桑原 康 長内 尚 相木 寛史 間野 伸宏 佐伯 真魚 小牧 弘
出版者
日本養豚学会
雑誌
日本養豚学会誌 = The Japanese journal of swine science (ISSN:0913882X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.160-164, 2012-12-26

ブタは臓器形態や生理代謝が人と類似している面のある動物である。特に実験用小型ブタ(ミニブタ)は小型で飼育管理も取り扱いやすく,1960年頃から(BUSTAD, 1966),実験動物として医薬品の開発研究などに利用されてきた。我が国でも小型イノシシと肉用豚種との交雑や肉用豚種における小型個体の選抜育種など多様な手法により(田中,2001),これまでにNIBS系,クラウン系,ユカタン系,およびマイクロ系などのミニブタの系統が作出されている。NIBS系はピットマンムーア系ミニブタ,タイワン小耳種,およびゲッチンゲン系ミニブタをかけ合わせ,約10年かけて平均体重が20kg程度となるように作出された均整のとれた形態を有する系統である(斉藤,2004)。またクラウン系は,ゲッチンゲン系ミニブタとオーミニ系ミニブタのF1およびランドレース種と大ヨークシャー種のF1を交雑することにより作出された(金剛ら,2008)。ユカタン系はメキシコ原産で皮膚は濃茶で体毛は殆ど認められない平均体重40kgになる系統である。マイクロ系は,富士マイクラ株式会社によって複数の系統の交配の結果作られた小型ミニブタであり,平均体重は10kg程度である。ミニブタは現在も様々な研究機関で開発が進められており,日本大学生物資源科学部飼養学研究室においてもNIBS系とマイクロ系を掛け合わせた平均体重30kgの体色が白色のミニブタ(NU系)を作出している。しかし,各系統の母系関係については不明な点が多い。そこで本研究では,各ミニブタ系統の母系起源を探ることを目的として,当研究室が作出したNU系を含む我が国で入手可能な6系統のミニブタを対象にミトコンドリアDNA(以下mtDNA)非コード(D-loop)領域の塩基配列を決定し,分子系統解析を行った。

言及状況

外部データベース (DOI)

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