著者
宮田 翔平 赤司 泰義 林 鍾衍 呉 楊駿 田中 勝彦 田中 覚 桑原 康浩
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.257, pp.11-20, 2018-08-05 (Released:2019-08-05)
参考文献数
15
被引用文献数
2

建築物の熱源システムにおいて,設計性能を発揮できなくなる要因である不具合を明らかにする不具合検知・診断は非常に重要である。本研究は物理モデルと機械学習により熱源システムの不具合検知・診断を行うことを目的とする。本報では未知の不具合を有する熱源システムを対象として,機械学習の一手法である畳み込みニューラルネットワークによる不具合検知・診断を試みた。そのための学習・テストデータとしては,該当システムに対する詳細なシミュレーションにより 6 種類の不具合状態を再現し,適切なラベルをもつように作成されたデータベースを利用した。十分な学習データ量を用いることで高い精度で検知・診断できることを確認した。
著者
室岡 瑞恵 桑原 康裕 春山 成子
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.138-148, 2012 (Released:2012-03-26)
参考文献数
5

アムール川は主に中国とロシアの国境を流れる国際河川である.中流域では高い頻度で洪水が起こっているが,定期観測データがほとんど無く,洪水の実態は明らかにされてこなかった.本研究ではアムール川中流域のハバロフスクにおける降水量データと流量データを基に洪水の数値解析を行い,現地での聞き取り調査と照合した.さらに,地形分類図を作製した上でJERS-1/SARデータにより湿地図を作製し,遊水地としての機能を多く果たす地形を明らかにした.その結果,月降水量の頻度は指数分布に従っており,5・10・20・50・100年確率降水量を算出することができた.また,降水量と流量の関係はロジスティック曲線に従っており,理論上,降水量96.5mm/月を超えると河川氾濫が始まることがわかった.当該地域の地形は丘陵地,氾濫原,自然堤防,低位及び高位段丘に分類できた.この中で湿地が多く分布するのは氾濫原で,湿地面積と降水量に相関がみられ,遊水地としての機能を大きく果たしていることがわかった.
著者
桑原 康人 石野 明美 桑原 典枝
出版者
日本獣医腎泌尿器学会
雑誌
日本獣医腎泌尿器学会誌 (ISSN:18832652)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.20-22, 2019 (Released:2019-04-03)
参考文献数
3

伴侶動物の尿道閉塞や膀胱麻痺に陥った症例に対する尿路変更術として、口径約1 cm程度の腹壁膀胱瘻設置術が実施されてきたが、瘻孔の早期閉塞や尿路感染が問題であった。今回、従来法よりも大きな口径で腹壁膀胱瘻設置術を行ったところ、上記問題の解消に有効であったので報告する。
著者
宮田 翔平 赤司 泰義 林 鍾衍 本村 彬 田中 勝彦 田中 覚 桑原 康浩
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.261, pp.1-9, 2018-12-05 (Released:2019-12-05)
参考文献数
6

畳み込みニューラルネットワーク(CNN)による実際の計測データ(BEMS データ)の不具合検知・診断(FDD)がより適切となるよう,シミュレーションにより作成した不具合データと不具合がない場合のデータの差分を正規化し,不具合が生じたデータのみを抽出し,各ラベルのデータ数を均等にする前処理手法を提案した。本手法に従い前処理された不具合データを学習した CNN を 1 年間の BEMS データに適用し, CNN による診断結果と BEMS データ分析結果とを比較することで本手法が適切であることが示された。加えて,システムが有する不具合は運用条件によりデータに発現または潜伏し,これが本研究の提案するFDD 手法により捉えられることが示された。
著者
桑原 康 長内 尚 相木 寛史 間野 伸宏 佐伯 真魚 小牧 弘
出版者
日本養豚学会
雑誌
日本養豚学会誌 = The Japanese journal of swine science (ISSN:0913882X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.160-164, 2012-12-26

ブタは臓器形態や生理代謝が人と類似している面のある動物である。特に実験用小型ブタ(ミニブタ)は小型で飼育管理も取り扱いやすく,1960年頃から(BUSTAD, 1966),実験動物として医薬品の開発研究などに利用されてきた。我が国でも小型イノシシと肉用豚種との交雑や肉用豚種における小型個体の選抜育種など多様な手法により(田中,2001),これまでにNIBS系,クラウン系,ユカタン系,およびマイクロ系などのミニブタの系統が作出されている。NIBS系はピットマンムーア系ミニブタ,タイワン小耳種,およびゲッチンゲン系ミニブタをかけ合わせ,約10年かけて平均体重が20kg程度となるように作出された均整のとれた形態を有する系統である(斉藤,2004)。またクラウン系は,ゲッチンゲン系ミニブタとオーミニ系ミニブタのF1およびランドレース種と大ヨークシャー種のF1を交雑することにより作出された(金剛ら,2008)。ユカタン系はメキシコ原産で皮膚は濃茶で体毛は殆ど認められない平均体重40kgになる系統である。マイクロ系は,富士マイクラ株式会社によって複数の系統の交配の結果作られた小型ミニブタであり,平均体重は10kg程度である。ミニブタは現在も様々な研究機関で開発が進められており,日本大学生物資源科学部飼養学研究室においてもNIBS系とマイクロ系を掛け合わせた平均体重30kgの体色が白色のミニブタ(NU系)を作出している。しかし,各系統の母系関係については不明な点が多い。そこで本研究では,各ミニブタ系統の母系起源を探ることを目的として,当研究室が作出したNU系を含む我が国で入手可能な6系統のミニブタを対象にミトコンドリアDNA(以下mtDNA)非コード(D-loop)領域の塩基配列を決定し,分子系統解析を行った。
著者
桑原 康浩 杉山 浩美 宋 永学 住吉 大輔 黒江 大亮 赤司 泰義
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.124, pp.11-18, 2007-07-05
被引用文献数
1

本研究の目的は,インバータ冷凍機を導入した熱源システムの省エネルギー効果を定量的に明らかにすることである.対象となる熱源システムは主に,インバータ冷凍機,統合型冷却塔,フリークーリングシステムで構成されており,インバータ冷凍機のCOPは部分負荷運転時に最大で18を実現する.本報では対象の熱源システムについて概説した後,実測結果に基づいて,熱源システムの性能評価を行った.その結果,冷凍機単体のCOPは月平均値で最大18.2,熱源システム全体のCOPは9.2という高い値が確認された.
著者
小田 福男 佐古田 彰 山本 充 李 濟民 小柳 貢 桑原 康行 瀬戸 篤
出版者
小樽商科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

平成11年度〜平成13年度にかけて、「極東ロシアにおける資源開発に伴う北東アジア経済の変化に関する地域学的研究」をテーマに、北東アジア経済と北海道経済の連携可能性について検討を行ってきた。そして、そうした研究の成果は、主に平成13年度の内容を中心に述べるとすれば、以下のように整理される。まず、マクロ経済的見地からは、「サハリンプロジェクトの動向」として、近年のプロジェクトの実態に関して検討を行っている。また、より大局的見地から、「ロシア連邦における極東サハリン州の経済的位置づけ」として、ロシア経済全体から見たサハリン経済の実態に関して検討を行っている。次に、ミクロ経済的見地からは、「ウラジオストックの住宅建築」として住宅産業にテーマを絞り、北海道企業のサハリン・ロシア極東進出の可能性について検討を行っている。また、こうした流れから、北海道企業の海外進出に関するテーマとして、「グローバル時代における日本企業の国際競争力-北海道企業のグローバル対応-」についても詳しく検討を行っている。さらには、「北海道企業の知的財産権戦略モデル」として、北海道企業の特許戦略による体力強化の可能性についても検討を行っている。そして、最後に法的見地からは、「海底石油資源開発の際の油流出事故により生じる損害についての国際賠償責任」として、国際法的見地からロシアとの国際ビジネスに関する実態について検討を行っている。また、「ロシア法における共同事業形態」として、ロシアにおける具体的な企業法の実態について検討を行っている。以上の複眼的見地から、「極東ロシアにおける資源開発に伴う北東アジア経済の変化に関する地域学的研究」を進め、様々な内容に関してその実態が明らかにされた。北東アジア経済と北海道経済との連携可能性を探る上で、こうした研究成果の有効活用が望まれる。