著者
Fukushima Masayoshi
出版者
新潟大学大学院現代社会文化研究科
雑誌
現代社会文化研究 (ISSN:13458485)
巻号頁・発行日
no.60, pp.161-168, 2015-03

本研究は、何故新興企業がライバル企業より利益率を早くそして高くあげることができるのかについて実証するため仮説と検証方法を提案することを目的とする。二つの対立的な概念を用いる。一つ目はレッドクイーン効果(RQE -攻めの競争行動)、二つ目はメールストローム効果(MSE-守りの戦略)である。RQE下でのDCと、MSE下でのDCでは、企業が得られる成果が全く異なることを論じる。DCは、急激な環境変化に対処するために内部と外部のコンピタスを統合、構築、再構成することができる企業の能力(Teece, 2009)をいう。ハイパー・コンペティション下の市場では積極的に攻めることがますます重要になってきている。しかしRQE下での行動は競争圧力を向上させ、競争者の数を増やし、行動のスピードも増すことになり、次第に企業業績に悪影響を及ぼす。利益率を上げるには攻めと守りの両立が解であることを分析し実証を次回の論文で明らかにする。

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