著者
舩場 大資
出版者
山口大学大学院東アジア研究科
雑誌
東アジア研究 (ISSN:13479415)
巻号頁・発行日
no.13, pp.223-245, 2015-03

本研究は,明治期に創られた「明治武士道」の思想と普及を明らかにするものである. 佐伯真一が,「新渡戸以降の〈武士道〉論や戦後の武士論をたどって,武士の理想化が,その後どのように完成していったのかを一つ一つ跡づけることは,とうてい筆者のなしうるところではない」と述べているように,「明治武士道」のイメージ形成やその普及については不明な点が存在する. そこで,「明治武士道」が,どのような思想をもとに形成され,普及したかという点を中心に考察した. まず,「武士道」ブームの立役者である新渡戸稲造の「武士道」論を再考した. とりわけ,日本で出版された『武士道』に着目し,どのような思想を下地にして「武士道」論を紹介したのかに着目した. 新渡戸は「武士道」規範を説明するさいに,次のように説明した. 例えば,西欧社会の道徳観である「フェアプレイ」の概念を「喧嘩なら堂々とせよ!」と訳し,それは武士の伝統的な価値観でもあったと修辞する手法をとった. すなわち,西欧流の「文明の精神」を「武士道」の価値観として紹介する構造を有していた. (以下,略)

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「安保法制廃止をめざすスポーツと体育の会」のホームページで知った「舩場大資」さんの論文について https://t.co/HZnUp1S2yP https://t.co/4UmSS1ULOO どちらも大変興味深い

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