- 著者
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松岡 秀明
マツオカ ヒデアキ
Matsuoka Hideaki
- 出版者
- コミュニケーションデザイン・センター
- 雑誌
- Communication-design (ISSN:18818234)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, pp.39-52, 2015-03
ハンセン病の歌人として知られる明石海人(1901 ~ 1939)が生前に刊行した唯一の歌集『白描』(1939)は、25,000部を売り上げたベストセラーとなった。『白描』は、「第一部 白描」と、「第二部 翳」に分けられるが、本稿は四つの特徴からなるパーソンズの「病人役割」(sick roll)という概念を用いて、「第一部 白描」の短歌が示すハンセン病患者がこれらの四つの特徴を有しているか否かを検討する。そして「第一部 白描」当時のハンセン病患者のライフヒストリーとしての性格を持つことを指摘し、それがどのように成立したかを検討する。/This paper explores a book of Tanka entitled Hakubyō published in 1939. The book became a best seller selling 25,000 copies. The book consists of two parts namely ‶Hakubyō" and ‶Kage". Referring to Parson's analytical idea ‶sick role," I examine the fi rst part which is a life history of a leprosy patient. Then I analyze how and why this fi rst part was published.