著者
関山 徹
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学教育学部研究紀要. 人文・社会科学編 (ISSN:03896684)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.139-147, 2014

広汎性発達障害者の人間表象の特徴を分析するために、TAT反応に現れた登場人物の描写を検討した。調査協力者は、広汎性発達障害者の群19名(P群)および同人数の対照群(NP群)であった。その結果、P群はNP群と比較して、(1)物語内に登場させる人数が少ないこと、(2)登場人物同士の関係が確定的でないこと、(3)登場人物同士の関与の程度が弱いこと、(4)登場人物の内面についての言及が少ないこと、(5)登場人物に愛着対象を見ることが少ないことが明らかになった。また、P群は人間関係への関心が低いと考えられるものの、基本的な対人知覚能力が劣るわけではなく視覚的な手掛かりの有無によって関心の程度が影響を受けやすいと推察された。

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ここ数年、「ASDの人はなぜ『物語』をよく理解できないのか」という事が気にかかっているが、あまりそれに関する有益な文献は見いだせていない。 こんなのがあったが、 https://t.co/wWQP45R0Ca

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