- 著者
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三宅 芙沙
増田 公明
箱崎 真隆
中村 俊夫
門叶 冬樹
加藤 和浩
木村 勝彦
光谷 拓実
Miyake Fusa
Masuda Kimiaki
Hakozaki Masataka
Nakamura Toshio
Tokanai Fuyuki
Kato Kazuhiro
Kimura Katsuhiko
Mitsutani Takumi
- 出版者
- 名古屋大学年代測定資料研究センター
- 雑誌
- 名古屋大学加速器質量分析計業績報告書
- 巻号頁・発行日
- no.25, pp.137-143, 2014-03
Although some candidates for the cause of the mysterious cosmic ray event in AD 774-775 have been reported we were not able to specify. In order to investigate the occurrence rate of the 14C increase event like the AD 775 one, we measured 14C content in Japanese tree-rings during an extended periods. As a result,we detected the second 14C increase by significant amount from AD 993 to AD 994. From the occurrence rate (one 14C event/800 years),it was revealed that a large-scale SPE is the most plausible explanation for the 14C event. 775年の宇宙線イベントの原因について、いくつかの候補が挙がっていたが特定するのは難しい状況であった。本研究の年代を拡張した14C濃度測定により、993-994年にかけても似たような14C急増を発見した。また、994年イベントは日本産の2個体の樹木から存在を確認した。14Cイベントの発生頻度から、その原因として大規模SPEが妥当であると考えられる。見つかった14Cイベントの14C増加量は、観測史上最大のSPEの1O~数10倍に相当する。このような規模のSPEが仮に今日発生した場合、現代社会へ深刻な被害を及ぼすと想定される。今回の発見はこうした大SPEが将来において発生する可能性を示したものである。名古屋大学年代測定総合研究センターシンポジウム報告