- 著者
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二宮 浩彰
Hiroaki Ninomiya
- 出版者
- 同志社大学スポーツ健康科学会
- 雑誌
- 同志社スポーツ健康科学 (ISSN:18834132)
- 巻号頁・発行日
- no.1, pp.9-18, 2009-03
本研究では、Neirotti(2003)が提示したスポーツ・ツーリズムの動的モデルを用いて、日本におけるスポーツ・ツーリズムの現状を明らかにした上で、わが国におけるスポーツ・ツーリズムの動的モデルを構築することを目的とした。研究方法としては、スポーツ・ツーリズム関連の調査、およびスポーツ産業関連の報告書やレポートを二次データとして活用して、スポーツ・ツーリズムを供給サイドから分析することによって日本におけるスポーツ・ツーリズムの諸相について把握することにした。その結果、クルーズについては、わが国においてクルーズ旅行が注目されるようになってきているものの、スポーツ・ツーリズムに関係するプログラムの提供にまでは至っていない。一方で、観光ウェブサイトが提供しているスポーツ・デスティネーション情報調査(二宮,2008)において、アウトドア・レクリエーションについての情報が多く発信されていることが明らかになっており、アドベンチャーの領域に対する需要が高まっていることが分かる。以上のことから、本研究では、スポーツ・ツーリズムの主要領域から、クルーズを除外してアドベンチャーを追加することにした。したがって、日本におけるスポーツ・ツーリズムの動的モデルにおいては、アトラクション、リゾート、ツアー、イベント、アドベンチャーを主要領域とするスポーツ・ツーリズムの諸事象を例示し、スポーツ・ツーリズム市場においてインフラストラクチャーやステークホルダーとの関係が築かれる構図を提示した。この日本版スポーツ・ツーリズムの動的モデルを用いることで、わが国におけるスポーツ・ツーリズムの全体像を鳥瞰することができ、その動態を説明することが可能になるであろう。総説(Reviews)