- 著者
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北村 知史
キタムラ サトシ
Kitamura Satoshi
- 出版者
- 同志社大学政策学部・総合政策科学研究科政策学会
- 雑誌
- 同志社政策科学院生論集 = Doshisha policy and management review
- 巻号頁・発行日
- vol.1, pp.93-107, 2012-02-01
Note本論文の目的は、鳩山首相自身が政権の最大目標と位置づけ、その解決に失敗した普天間基地の移設問題の政治過程を分析することにある。そこで、政権における首相や閣僚、政党党首などの政治的責任者の主要動向を新聞報道と先行研究を通じて明らかにすることである。2の鳩山政権における普天間基地移設問題では、鳩山政権の発足から退陣までの首相や閣僚、政党党首などの政治的責任者普天間基地に関する主要動向を新聞記事を中心にして時系列に表記した。時系列に表記した結果、鳩山首相の普天間基地の移設に関する発言は政権が発足してから辞任するまで一貫していないことが明らかであった。3.1の首相動静から見る鳩山首相の普天間問題におけるリーダーシップでは、首相動静から見た鳩山首相の普天間問題におけるリーダーシップの分析をした。3.2の鳩山首相による議題設定とリーダーシップの欠如では鳩山首相が普天間基地を県外に移設という議題設定をしたことについての分析をした。3.3の世論調査からみる鳩山政権のへの批判では朝日、読売、毎日、日経の4紙の世論調査の個別の内閣支持率の動向を確認した。4の結章では鳩山首相がこの政治課題において失敗した要因を指摘した。本論文では、鳩山首相の普天間移設問題をめぐるリーダーシップの問題と世論の影響力の観点からの分析を試みた。