著者
稲本 守
出版者
東京海洋大学
雑誌
東京海洋大学研究報告 (ISSN:18800912)
巻号頁・発行日
no.7, pp.17-29, 2011-02
被引用文献数
1

近年におけるソマリア沖海賊被害の急増に対し、国連安保理は2008 年に採択した数度の決議によって加盟国に艦船の派遣を求めるとともに、ソマリア領海内、更には領土内における海賊対処行動を行うことを認めた。我が国は2009 年3 月に海上警備行動に基づいて自衛艦を派遣し、同年6 月には海賊対処法を制定してソマリア沖を通過する船舶の護衛活動を行っている。本論の第一の目的は、ソマリア沖海賊問題対処に際しての国際的・国内的な枠組みとその限界について客観的な指摘を行うことにより、海賊対処をめぐる議論の論点を明確にすることにある。その上で本論は、ソマリア沖海賊対処をめぐる法的問題点について考察を加え、世界の海を公海と領海を二分し、船舶取締りに際して旗国主義を貫いている近代海洋法秩序の限界を指摘した。こうした議論をふまえて本論は、安保理決議を通じた緊急措置の積み重ねによらず、公海上における集団的な警察活動等を可能にする国際的枠組み作りに国際社会が取り組むべきことを論じている。東京海洋大学海洋科学部海洋政策文化学科

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