著者
鈴木 貞美
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.187-214, 2010-09

日本の一九二〇年代、三〇年代における(狭義の)モダニズム文藝のヴィジュアリティー(視覚性)は、絵画、写真、また演劇等の映像だけではなく、映画の動く映像技法と密接に関係する。江戸川乱歩の探偵小説は、視覚像の喚起力に富むこと、また視覚像のトリックを意識的に用いるなど視覚とのかかわりが強いことでも知られる。それゆえ、ここでは、江戸川乱歩の小説作品群のヴィジュアリティー、特に映画の表現技法との関係を考察するが、乱歩が探偵小説を書きはじめる時期に強く影響をうけた谷崎潤一郎の小説群には、映画的表現技法の導入が明確であり、それと比較することで、江戸川乱歩におけるヴィジュアリティーの特質を明らかにしたい。それによって、日本の文藝における「モダニズム」概念と「ヴィジュアリティー」概念、そして、その関係の再検討を試みたい。

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CiNii 論文 -  江戸川乱歩、眼の戦慄--小説表現のヴィジュアリティーをめぐって (小特集 東アジアにおける知的システムの近代的再編成(2)) https://t.co/UenXUV9toL #CiNii

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